「うちの子、もう治療法がないって言われたけど、本当にそうなの?」「他の病院で手術が難しいと言われてしまった…」――愛犬や愛猫が病気やケガをしたとき、飼い主さんなら誰でも「何とかしてあげたい」と思いますよね。

こんにちは。ペット専門ライターの佐藤あゆみです。元動物看護師として5年間勤務し、現在は2匹の猫と暮らしながらペット関連の記事を執筆しています。

今回ご紹介するのは、茨城県水戸市にある「水戸動物病院」です。昭和49年(1974年)の開院から50年以上の歴史を持ち、特に外科・整形外科・再生医療の分野で高い評価を受けている動物病院です。「再生医療って何?」「普通の動物病院と何が違うの?」――そんな疑問にお答えしながら、水戸動物病院の特徴と最先端治療の内容を詳しく解説していきます。

この記事を読めば、動物の再生医療の仕組みや費用感、水戸動物病院が他の病院と何が違うのかが分かります。愛犬・愛猫の治療の選択肢を広げるヒントになれば幸いです。

水戸動物病院とは?50年以上の歴史と実績

まずは水戸動物病院がどんな病院なのか、その基本的な特徴を見ていきましょう。

昭和49年開院、地域に根ざしたホームドクター

水戸動物病院は、昭和49年(1974年)に茨城県水戸市見和に開院しました。水戸市内でも歴史の古い動物病院のひとつで、半世紀以上にわたり地域の飼い主さんとペットたちを支え続けています。

開院当初はフィラリア症や伝染病などの感染症が中心でしたが、時代とともにペットの生活環境が向上し、予防医療も普及したことで、人間と同じように生活習慣病や高齢化に伴う病気が増えてきました。こうした変化に対応するため、平成17年(2005年)には犬猫専門病院として病院を改修し、新しい治療法や医療機器を次々と導入しています。

外科・整形外科・再生医療の3本柱

水戸動物病院の大きな特徴は、「外科」「整形外科」「再生医療」の3つの分野を柱としている点です。一般的な動物病院では対応が難しい高度な症例にも対応しており、県内外の他の動物病院から難症例を紹介されるケースも少なくありません。

一般診療(予防接種、健康診断、避妊・去勢手術など)ももちろん行っていますが、「かかりつけ医」としての機能と「専門病院」としての高度医療を両立している点が、この病院の大きな強みです。

博士号を持つ獣医師による専門治療

水戸動物病院の副院長・芦田輝明先生は、獣医師でありながら博士号(学術)を取得しています。日本大学農獣医学部獣医学科を卒業後、東京医科歯科大学大学院で生体吸収性骨再生材料の研究に従事し、博士号を取得されました。

所属学会も獣医麻酔外科学会、日本獣医再生医療学会、日本バイオマテリアル学会など多岐にわたり、最新の研究知見を臨床に活かしています。こうした学術的なバックグラウンドがあるからこそ、再生医療や整形外科といった先端医療を地域の動物病院レベルで提供できるのです。

水戸動物病院の再生医療とは?幹細胞療法を分かりやすく解説

「再生医療」という言葉は、ニュースなどで耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。実は、人間の医療だけでなく、犬や猫といったペットの医療でも再生医療の活用が広がっています。

そもそも再生医療(幹細胞療法)って何?

再生医療とは、動物の体にもともと備わっている「自然治癒力」を活用した治療法です。

私たちの体やペットの体には、病気やケガで傷ついた細胞を修復する力があります。この修復を担う細胞のひとつが「間葉系幹細胞(かんようけいかんさいぼう)」と呼ばれるものです。幹細胞には次のような3つの特徴があります。

  • 傷ついた部位に集まり、損傷した組織を修復する
  • 骨、筋肉、血管などさまざまな細胞に変化(分化)できる
  • 炎症を抑える物質(サイトカイン)を放出して、組織の修復を促進する

幹細胞療法とは、この幹細胞を体外で培養して数を増やし、点滴や注射で体内に戻すことで、失われた組織や機能の再生を目指す治療法です。iPS細胞やES細胞とは異なり、倫理的な問題が少なく、安全性が高いとされています。

動物再生医療技術研究組合によると、再生医療は従来の治療と比較しても安全性の高い治療法であり、これまで治らないと思われていた病気にも新たな選択肢を提供できる可能性があるとされています。

治療効果が期待されている病気・症状

水戸動物病院の公式サイトでは、幹細胞療法の効果が期待される疾患として、以下のものが挙げられています。

  • 椎間板ヘルニアなどの脊髄損傷
  • 関節炎
  • 慢性腸症(ステロイド薬等の免疫抑制剤に反応する症例)
  • 肝炎
  • 免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
  • 乾性角結膜炎(KCS)・網膜萎縮
  • 難治性の猫の口内炎
  • 糖尿病
  • 腎臓病

特に注目されているのが、椎間板ヘルニアによる脊髄損傷への応用です。従来の内科治療では根本的な回復が難しく、外科手術でも改善が見られないケースがありましたが、幹細胞療法によって歩行機能の回復が期待できるようになりました。

治療の流れ(自家移植・他家移植)

水戸動物病院での幹細胞療法には、「自家移植」と「他家移植」の2つの方法があります。それぞれの違いを表にまとめました。

項目自家移植(自分の細胞を使用)他家移植(ドナー細胞を使用)
細胞の採取元本人(患者動物)の皮下脂肪ドナー動物から提供された凍結幹細胞
全身麻酔必要(脂肪採取時)不要
培養期間約2週間なし(凍結保存分を解凍)
投与回数合計3回合計3回
適しているケース全身麻酔に耐えられる状態の動物全身麻酔が難しい高齢・重症の動物

自家移植の場合、まず全身麻酔下で鼠径部(太ももの付け根あたり)から小さなパチンコ玉程度の皮下脂肪を採取します。そこから幹細胞を分離し、約2週間かけて病院の専門設備で培養。培養した幹細胞の9割を動物に投与し、残りの1割を再培養して、これを繰り返しながら合計3回の投与を行います。

一方、全身麻酔が難しい場合には、あらかじめドナーから提供され液体窒素で凍結保存されていた幹細胞を解凍して使用する他家移植が選択できます。幹細胞は拒絶反応が非常に起こりにくい性質を持っているため、他の動物の細胞でも安全に使用できるとされています。

気になる費用の目安

再生医療の費用は、症状や適応部位、使用する細胞の種類によって異なります。水戸動物病院での目安は以下のとおりです。

  • 幹細胞療法(自家移植・他家移植):約25万円~
  • ステムキュア(製剤を使用する場合):1回あたり約15万円~

決して安い金額ではありませんが、従来の治療では改善が難しかった症状に対する新たな選択肢として、検討する価値はあるでしょう。費用の詳細については、水戸動物病院に直接お問い合わせください。

普通の動物病院との違い|水戸動物病院ならではの強み

「再生医療ができる」という点だけでも大きな特徴ですが、水戸動物病院にはそれ以外にもいくつかの強みがあります。ここでは、一般的な動物病院との違いを具体的に見ていきましょう。

再生医療実施施設としての安心感

水戸動物病院は、一般社団法人動物再生医療推進協議会に「動物再生医療実施施設」として届け出を行っています。

人間の再生医療には法律による厳格な規制がありますが、動物の再生医療にはまだ法整備が十分ではないのが現状です。だからこそ、自主的にガイドラインを設けて安全かつ正しい方法で再生医療を行っている施設を選ぶことが重要になります。

水戸動物病院がこうした協議会に届け出を行っている事実は、安全性に対する意識の高さを示しています。詳しくは水戸動物病院の再生医療への取組みページで確認できます。

整形外科における高い専門性

再生医療と並んで、整形外科も水戸動物病院の大きな強みです。対応している主な疾患は次のとおりです。

  • 膝蓋骨脱臼(パテラ)
  • 骨折
  • 股関節脱臼
  • 前十字靭帯断裂
  • レッグペルテス病
  • 股関節形成不全
  • 椎間板ヘルニア

公式サイトでは犬種ごとになりやすい整形外科疾患の一覧表も公開されています。たとえば、トイプードルやチワワは膝蓋骨脱臼になりやすく、ミニチュアダックスフンドは椎間板ヘルニアのリスクが高いなど、犬種別のリスクが分かりやすくまとまっています。

「うちの子の犬種はどんな病気に注意すべき?」と気になる方は、一度公式サイトを覗いてみるとよいでしょう。

動物にやさしい施設設計へのこだわり

水戸動物病院は「動物にやさしく快適な空間の構築」を病院運営の目標に掲げており、施設設計にもそのこだわりが随所に表れています。

エリアこだわりポイント
待合室24時間換気システムで臭いがこもらない。セントラルクリーナーにより埃や毛が舞い上がらない清掃方式
手術室陽圧換気システムで常に清潔な空気が循環。自動センサー水道と足踏み式自動ドアで無菌環境を徹底
入院室強力脱臭換気システムと床暖房を完備。広々としたスペースで飼い主さんの面会も可能
屋外設備80坪の天然芝の庭と屋根付きパドックを整備。入院中のリハビリや気分転換に活用

特に手術室の環境は、人間の病院と同レベルの清潔管理がされています。手洗い後に蛇口に触れなくて済むよう自動センサー水道を導入し、ドアも足踏み式の自動開閉にすることで、手術中の汚染リスクを最小限に抑えています。

インフォームドコンセントとオーダーメイド医療

水戸動物病院が大切にしているのは、「最善の治療=高度な医療とは限らない」という考え方です。

どんなに高度な治療法があっても、動物の体への負担や飼い主さんの経済的な事情、生活環境などを無視して治療方針を決めることはできません。水戸動物病院では、飼い主さんへの丁寧な説明(インフォームドコンセント)を重視し、動物の気持ちと飼い主さんの思いの両方を汲み取ったうえで、一緒に治療法を選択していく「オーダーメイド医療」を実践しています。

スタッフ全員がインフォームドコンセントと接遇の研修を受けており、受付から看護まで一貫してきめ細やかなサポートが受けられる体制が整っています。

水戸動物病院の基本情報・診療時間・アクセス

最後に、水戸動物病院の基本情報をまとめておきます。来院を検討されている方はぜひ参考にしてください。

項目内容
病院名水戸動物病院(MITO ANIMAL HOSPITAL)
住所〒310-0911 茨城県水戸市見和3丁目654-13
電話番号029-252-0297
公式サイトhttps://www.mito-vet.com/
診療対象犬・猫
予約方法LINE・Webから来院順の確保が可能

診療時間は以下のとおりです。

曜日午前午後(手術・検査)午後(診療)
月~金8:45~11:3013:00~16:0016:00~18:30
土曜8:45~11:3013:00~16:0016:00~18:00
木曜午前・日・祝休診

初診の方や検査が必要な方は、受付終了の1時間前までに来院してください。なお、診療時間は変更になる場合があるため、来院前に公式サイトのお知らせを確認するか、電話で問い合わせることをおすすめします。

まとめ

水戸動物病院は、1974年の開院以来50年以上にわたり、地域の「ペットのホームドクター」として愛され続けてきた動物病院です。一般的な動物病院と比べた大きな特徴をあらためて振り返ります。

  • 外科・整形外科・再生医療を3本柱とした高度な専門医療を提供している
  • 幹細胞療法による再生医療で、従来の治療では難しかった疾患にも対応できる
  • 動物再生医療推進協議会への届け出を行い、安全な再生医療の提供に努めている
  • 博士号を持つ獣医師が在籍し、学術的な裏付けのある治療を受けられる
  • 手術室の陽圧換気や院内の24時間換気など、動物にやさしい施設設計が徹底されている
  • インフォームドコンセントを大切にした「オーダーメイド医療」を実践している

「もう治療法がない」と言われた経験がある方、従来の治療で思うような改善が見られない方にとって、再生医療は新たな希望になり得る治療法です。もちろん、すべての病気に効果があるわけではありませんし、費用もかかります。しかし、大切な家族のためにできることを一つでも多く知っておくことは、決して無駄にはなりません。

まずは一度、水戸動物病院に相談してみてはいかがでしょうか。きっと、飼い主さんとペットに寄り添った丁寧な対応をしてくれるはずです。

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